エボラウイルスやSARS流行の際に最前線で収束に奔走し、ヴィッセル神戸の熱烈なサポーターであり、2020年2月のダイヤモンドプリンセス号に乗船した岩田健太郎(いわたけんたろう)先生がJリーグの新型コロナウイルス感染症対策について話しをしていました。
サッカーにおける6つのシーンから感染リスクが説明されていました。バスケットボールにも通じるところがあるかと思い、まとめています。
ちなみに岩田健太郎先生ですが、「新型コロナウイルスとの戦い方はサッカーが教えてくれる」という本も出版している。
目次 Contents
Jリーグのコロナ対策について
現状、選手やチームスタッフが感染している様子はありますが、「あまり気にする必要はないと思う」とのことでした。
世界中で新型コロナウイルスが蔓延しているため感染リスクは出てくるためとのことです。
マスクを着用するなどで感染を防ぐことができるが完全にゼロにすることはできないとのことです。そのため、感染者が一定の割合で発生するのは仕方がないと話しをされていました。
スポーツや経済活動を行っている中で「ゼロリスク(感染者をゼロにすること)」の発想は捨てるべきとのことでした。また、感染者が出て騒いでいても意味がない。
寮生活を行っていた高校サッカー部や大学ラグビー部でのクラスターが発生しているが、その点については騒ぎすぎだなとの話しをしており、集団生活していると密になる環境を解除するのはほぼ不可能。これはある頻度は仕方がない。
また、若くて健康な方だと重症化するケースは非常に稀なため、寮は閉じた空間のため流行が広がりやすい。ただ、閉じた空間であるがために流行が広がりやすいが、感染は外に広がりにくいとも説明していました。数に騙されないことと、バッシングや誹謗中傷はもってのほかと話しをしていました。
未知であるがゆえに冷静に対応することが必要とのことでした。
Jリーグの対応について、岩田先生はJリーグ全体でいうと良い対応をしているとのことです。
専門家に常に相談していること、観客数を増やすことを先送りしたこと(スタジアムの観客数を上限5000人にすることを9月末までに延長)など臨機応変に対応しているとのことでした。
ガイドラインも細かい点まで意識していると話しをしていました。
新型コロナウイルス感染症の特徴は?
感染症のプロとして何十年も患者さんを診てきたが、こんなに特殊なウィルスは今までにないとのことでした。
ウイルスは大きく分けて2種類に分けられ、致死率が高いウイルスと致死率が低いウイルスとがある。新型コロナウイルスは、両面性を持っている点が特徴。たいていの人は勝手に治るが一部の人は重症化して亡くなる。
そのため、軽いウィルスと考えてよいのか?重いウィルスと考えてよいのか?の立ち位置が難しい感染症とのことです。
サッカーの6つのシーンの感染リスクは?
サッカーのシーンで6つのシーンを選んで、そのシーンごとの新型コロナウイルスの感染リスクを説明していました。
1.接触プレー
サッカーのおいて、接触プレーは避けられないがコンタクトプレーでの感染のリスクについては、あまりないとのことでした。
選手は定期的にPCR検査を実施していてウイルスを持っていない人同士のコンタクトではウイルスを広げることはないとのことでした。
プレー中の選手たちがウイルスを持っている可能性はゼロではないがPCR検査などでチェックをしているため感染リスクは低いとのことです。
ただ、一番の心配はてのひらで、手のひらから口鼻にもっていくことでウイルスに感染するとのことです。
2.ゴールパフォーマンス
ひじでタッチしているが、危険な手のひらを合わせない合理的な方法と説明されていました。
3.給水タイム
唾液からの感染ということでは給水タイムも要注意と説明されていました。
飲水ボトルの共用は避けるけるとJリーグのガイドラインに記載されているとのことでした。共用を避けることで感染リスクを抑えられるとのことです。
また、新型コロナウイルスは汗から感染することはないとのことです。
鼻と口、つば、くしゃみ、咳から出る飛沫が感染源になるとのことです。なお、目をふくなどした場合で目からウイルスが身体に侵入することはあるとのことです。
4.監督の指示
Jリーグで一番心配しているのは監督とのことで、比較的年齢の高い監督が心配しているとのことでした。
近くで指示する場合はマスクをするのがよく、距離を空けることも対策になる。
5.審判への抗議
ヒートアップすると顔が近づき、感染リスクが高まるとのことです。
6.ハーフタイム
グラウンドキーパーがいちばん感染の危険がある。地面のつば、グラウンドの穴などを整備するが、地面にウイルスが滞在しているため、それも数時間滞在するために芝を整備するなどの場面が感染リスクが高いとのことでした。
サポーターとして注意する点も話があり、サポーターとしては「応援」、声を出しての応援とスタジアムへの移動に注意が必要とのことでした。特に、移動時は密を避けるという点で注意。
また、子どものプレーそのものに感染のリスクはないが、保護者が集まって、密を作り出しているのでこの点も注意が必要とのことでした。
リスクコミュニケーションが必要
あるリスクについて情報共有、対話、意見交換することが必要とのことでした。
理由を説明することが特に大切でした。目的や理由を明確にすることが必要とのことでした。
Bリーグの試合観戦における新型コロナウイルス対策は?
今回はサッカーについてのコロナ禍における新型コロナウイルス感染症の対策について説明がありましたが、バスケットボールのBリーグでも似通っている部分はあるかと思います。
バスケットにも応用できる点もあるかなと思いつつ、サッカーとのバスケットボールの一番の大きな違いである、屋外のスポーツか屋内のスポーツかという点が気になりましたが、それでも観客の応援スタイルなどはサッカーでもバスケットボールでも同じではないかと思っています。
なお、Bリーグから2020年8月25日に「感染拡大防止のための来場及び観戦に関するルール」が発表されました。
入場制限ということで以下のような場合には来場の自粛や来場を見合わせるようにとの依頼がありました。
・試合観戦の予定日よりも2週間以内に海外渡航歴がある場合は来場の見合わせ
・新型コロナウイルスに感染された方で医療機関や保健所から療養終了の判断が出るまでは来場の見合わせ
・保健所から濃厚接触者と判断されてから2週間以内の観戦は来場の見合わせ
・高齢者の方は重症化のリスクが高いために観戦の自粛
・糖尿病や心不全や呼吸器疾患等の基礎疾患がある場合は観戦の自粛
・観戦当日に37.5℃以上の発熱がある場合は観戦の見合わせ
・せき、頭痛、身体のだるさ、のどの痛みなど風邪のような症状が観戦当日にある場合は観戦の見合わせ
・味覚や嗅覚の以上や食欲不振などの体調不良が感じられる場合は観戦の見合わせ
Bリーグ観戦時の注意点
試合を観戦する場合の注意点をまとめると以下のような内容でした。
・試合観戦時は必ずマスクを着用すること
・ソーシャルディスタンスの確保ということで、入場待機や選手の出待ち、ファン同士での集会は禁止となっています。
・入場時やお手洗い利用時の待機列での間隔は1から2mを空ける
・応援時の大きな声で歌を歌う、応援、指笛は禁止
・手持ちのアイテムを振るや回すなどの行為も禁止
・検温の実施ということで入り口にサーモグラフィーカメラによる検温の実施
・着席位置の記録と保管。(万が一、観戦後に新型コロナウイルスに感染していたことが分かった場合の対策として必要になるとのことです)
「感染拡大防止のための来場及び観戦に関するルール」に記載されている内容の全てではないものの上記のような観戦までの注意点や観戦時の注意点がありました。
これらの内容を守りつつ、試合観戦したいと思います。
なお、アウェイチームのブースターに関する内容は現時点(2020年8月30日時点)では記載がありませんでした。
最後に
Bリーグはアリーナの収容人数の50%で上限50%までで、観客を入れての2020-2021年シーズンのBリーグの試合開催を発表しましたがすでにリーグが開催されているJリーグのwithコロナでの新型コロナウイルス感染症に対して岩田先生が解説されていました。
過去に例のない、特殊なウイルスである新型コロナウイルス感染症について少しでも理解を深めて、Bリーグ観戦、スポーツ観戦を安全に楽しめればと思います。
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